酒プロジェクト
2011年秋、青森県十和田市にある鳩正宗酒造の杜氏である佐藤企氏と出会い、さらに十和田の街で出会った人たちとも協働して田植え、稲刈りと米作りから、酒の仕込みまで行い、十和田の日本酒を造ろうということに。
そして、米作りにも酒造りにも必要不可欠な水に焦点をあて、水を育む山、水瓶でもある湖、水の流れる川、その周りに生育する動植物たち、それらがどのような環境でどのような関係性にあるのか、そこに根付く人々の営みも含めて風土を探って行こうと。酒で十和田を味わうプロジェクト。
水について
森林に降り注いだ雨の一部は樹木に当たり、蒸発するもの、水滴になって落下するもの、幹を伝って林床に達するものと、直接林床に達する水がある。
地面に達した水も一部蒸発していくが、林床に達した水のほとんどは土壌に浸透していく。
十和田湖・奥入瀬川のまわりの森は落葉樹が多く、林床は落葉で覆われている。落葉は森林に降った雨水が地表を伝って流れてしまうのを防ぐ。
さらに、実生などの小さい植物は、風や水によって落葉が地表を流れてしまわないようにする働きをしている。
土壌に浸透した水は保水され、根によって吸収される。それと、土壌の中を移動し河川に流れ込む水、地下水帯まで到達して地下水流になる水とある。
根から吸収された水は、生命全ての根源である光合成の原料として二酸化炭素と共に使われつつ、樹木自体の様々な生理機能にも役割を果たす。
葉から蒸散される水蒸気は葉の気温上昇を抑え、そこの気象環境に影響をもたらす。
そして、蒸散作用によって大気に移動した水蒸気が上昇と共に雲を形成し雨を降らす。
自然の中のほんの一部分の循環の物語。
2014年
今年もまっしぐらを作り、50%まで精米し、純米大吟醸を造る。
5月、田植え。
9月、稲刈り。
2月、仕込み。
3月、しぼり。
4月、発売。
酒
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2016