8月中旬。京都へ。
個展「樹木学」にきてくれた山極さん宅へ夕方に天祈りを持ってお邪魔する。
人類史、自然、歴史、庭、酒、食… たくさん話す。気づけば夜は深く。
二人だけの話で終わらすのがもったいないくらいだ。有意義。
今後、新たなプロジェクトが始まる。
翌日の夕方。京都大学の伊勢さんと会う。
来夏、ACACで行う景観研の展覧会のことや、今後のプロジェクトのことなどを話す。楽しみすぎるだろ。
伊勢さん若いなぁ
家を出て3日目。広島県福山市へ向けて移動。
道中、竹中大工道具館へ行く。
竹中大工道具館:正面
展示風景
打割法で板を製材する方法。縦に割って、釿(ちょうな)で荒削りして、槍鉋で整える。
縦引きの鋸が発明されるまで板を作るのは一苦労。木材の無駄も多かったろう。
左から、立木を伐る切斧と杣鋸(そまのこ)
倒した木の樹皮をそぎ落とす鉞(まさかり)と釿(ちょうな)
板を切り出す前挽大鋸(まえびきおが)
次に兵庫県立考古博物館へ行く。
弥生時代の板。
割って、削って、均して。大変だったろうな。
神戸の玉津田中遺跡(弥生時代)の木材はアカガシが使われていたようだ。
弥生時代の他の遺跡はどうかというと、例えば弥生時代の有名な遺跡の登呂ではスギが多く使われていた。
広島県福山市の小林正人邸へ行く。4年ぶり。
相変わらずスタジオが凄い。圧倒的!
恒例の「男はつらいよ」を観る。
「夜叉」も観る。高倉健!
最高じゃ!
2泊する間に、金物屋へ行って鋸買ったり、庭仕事したり。
小林さんが俺は潮干狩りのプロだというので、今度は春先に行くかなと。
福山から岐阜の山間部、郡上八幡へ行く。
郡上八幡城
郡上八幡城天守からの眺望
下呂ふるさと歴史記念館
北海道を旅しているとき、三笠市立博物館で小さいパネルに”飛騨屋久兵衛”のことが書いてあった。
それは1700年代中頃に、蝦夷地の石狩山林にて大規模な蝦夷檜伐採請負して、江戸や大阪に木材を回漕し、豪利をほしいままにしたと言われているというものだった。
1700年代に和人地以外の蝦夷地で森林伐採をしていたのは先駆的であり、どのようにして蝦夷地で伐採請負することになったのか、詳しくは、「飛騨屋久兵衛 平工剛郎 北海道出版企画センター」を読めばよくまとまっているのでよくわかる。もちろん、読んだ上で飛騨屋久兵衛の故郷の下呂を訪れ、資料を見たくて行く。
展示物に飛騨屋久兵衛関係はなかったが、学芸員さんに尋ねると、プリント資料をコピーしてくれた。
古文書などは県立図書館や県立歴史博物館にあるのだろうが、どちらも臨時休館。またいつかにでも。
郡上と下呂の間にある和良の歴史資料館。
海のない岐阜県でさらに山間部の和良町の資料館でなぜか千石船の模型。
白山文化博物館
白山信仰の展示と民俗資料の展示。民俗資料充実。
高山陣屋
主に幕末のころに建てられた現存遺構がある。それを元に復元もされている。
資料もたくさんあり、とてもよかった。高山陣屋歴史資料館と言ってくれた方いいな。
高山陣屋近くの骨董屋で大鋸(左)と杣鋸(右)を買う。
帰ったら磨いて目立ての真似事をしてみる。
高山市で買うことに意味がある。
木曽路へ
中山道 妻籠宿
脇本陣奥谷:木曽五木の禁制が解かれて、明治10年に総檜造りで建て替えられた建物。
南木曽町博物館・歴史資料館
南木曽町山の歴史館・福沢桃介記念館
木曽川
森林鉄道の機関車
展示風景
森林鉄道ができた理由
桃介橋
大桑村歴史民俗資料館
やっぱりこういう資料館が面白いものがたくさんあっていいな。
素敵な人たちとの交流から、ずっと気になってた飛騨国の林政の歴史、近隣の林業の歴史。
岐阜の地形と山々の風景、木曽川の水利用の歴史。
江戸時代・明治時代から昭和まで、木材需要が高かった時代を想像しながら風景を見てまわることができた。
まだまだ足りないからまた行く必要が大いにあることを感じた。
ここでは日誌程度に書き記し、いつか旅のことをまとめた何かができたらいいな。
旅は面白い。
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